『一斉積立』新規導入・増額取組み紹介 ~2024年度 その③~          

ニッピ労働組合富士支部

 昨今の物価上昇の中で、一斉積立の増額を決断するにあたり、当労組として重点を置いたことは2つあります。 
 1つ目は、「2024春闘における賃上げの実現」です。当労組では、2024春闘において組合員平均で11,000円を超える賃上げが実現されました。この賃上げ結果は労組が勝ち取った権利でもあるとの認識のもと、その一部から1,000円増額することを執行部として判断しました。
 2つ目は、「助け合いの観点」です。当労組単体での預貸率は約114%(2024年3月末時点)であり、他の会員、地域の預金を利用させていただいている、いわば助けてもらっている状況です。将来のお金を借りたい組合員や地域の勤労者のために、少しずつでも単組としても預貸率を改善させ、〈ろうきん〉の成り立ち・原点である「助け合い」に協力したいと考えたためです。
 執行部内また職場内での丁寧な議論を経て、2024年9月の定期大会にて議案に諮りました。結果、大多数の代議員から「賛成」の意見を得て、規約の改正に至りました。一斉積立の増額について「やらない理由」を探すよりも、当労組としては「やる理由」を丁寧に組合員へ説明し、理解を求めました。私たち労働組合としても、今回の増額の提起を機に、組合員の不測の事態や退職後の生活資金としての備えにしてもらうという、「一斉積立の意義」を改めて理解してもらえたことも良かったと思っています。
 ろうきん運動は「助け合い」が原点です。一斉積立の新規・増額を検討している組合の皆さんにはぜひ、「地域会員としての役割発揮」と「助け合いの観点」から前向きに検討を進めていただけたら幸いです。呼んでいただければ、いつでも会員オルグへ訪問します!!
(中央執行委員長 飯室憲一)

ニッピ労働組合富士支部

大和技研工業(株)親睦会

 私たち大和技研工業親睦会は〈ろうきん〉に会員加入した20年以上前から、従業員の貯蓄に繋がるという観点から1,000円/月の一斉積立を行ってきました。
 この度、ろうきん職員から積立金額増額の提案を受け「従業員の老後の資金として退職時に少しでも多くの積立金となれば」との思いから各従業員に伝えたところ、1,000円程度であれば無理がなく積立増額しても良いのではないか、といった前向きな反応があり1,000円増額する手続きを行い2,000円/月の積立に至りました。
 財形貯蓄も当親睦会の多くの従業員が利用しているため、〈ろうきん〉で積立をすることが職場で定着しており、少額でも長期間積立すれば大きなお金となることを経験している点も増額につながった要因だと考えています。
 給与控除後のお金で生活するという考えを持つことで、手元にあれば使ってしまうお金が自然と積立できるため、将来に向けた資産形成につながっています。
 これからも、〈ろうきん〉を活用して従業員の資産形成に役立てていきます。

大和技研工業(株)親睦会

UEX労働組合三島支部

 当労組ではこれまで一斉積立を3,000円/月で積立していました。一斉積立の積立金額増額を検討することになったきっかけは、ろうきん職員と支店長が当労組に来訪された際に、一斉積立における「グッドマネーの考え方」「共助の基盤となること」について説明いただいたことです。
 今後も私たち勤労者が低金利な〈ろうきん〉から安心してお金を借りるためには、一斉積立のように組合員が一律に積立する制度が必要であることを改めて認識しました。
 その後「一斉積立は組合員の将来に対しての備えにつながり、生活基盤の安定にもつながることを考えれば増額を検討するべきだ」との意見で執行部がまとまりました。定期大会で提起するまでには、執行委員会にて一斉積立増額の必要性や増額金額等の協議を何度も重ねましたが、協議の間においても反対意見はなく、定期大会にて提起され承認に至りました。
 コロナのような不測の事態が将来起こる場合に備え、労働組合が貯蓄啓蒙を主導することに意義があると考え、これからも取り組んでいきたいと考えています。

UEX労働組合三島支部

アンビアバス事業部労働組合

 当労組では一斉積立の積立額を毎月3,000円で導入していました。コロナ禍には賃金減少を理由に一斉積立を払戻しした組合員もおり、組合員の生活を守る積立であることは認識していました。
 2024年は貸切バス事業のドライバー待遇改善を目的に基本給の見直しが行われましたが、昨今の物価上昇や、不測の事態への備えも充実化する必要があると考え、賃金改善のタイミングに合わせ、毎月3,000円から4,000円とする一斉積立増額の取組みを進める決断をしました。
 取組みにあたり、まずは執行委員会にて一斉積立を知る機会を設けました。ろうきん職員から、一斉積立は組合員の不測の事態に備える積立であること、また共助の預金であることの説明を改めて受け、執行部の理解を深めました。
 20名の組合員に対しては、執行部から一斉積立増額について一人一人に直接説明を行いました。説明する中で、一部の組合員からは増額に対して消極的な意見もありましたが、組合員の不測の事態に備える積立であること、共助の預金であることを丁寧に説明して増額に対する理解を得るよう努めました。
 その後開催を迎えた定期大会において、丁寧な事前説明の成果もあり、満場一致で増額承認となりました。今後も一斉積立を組合員の生活安定につなげていきます。

アンビアバス事業部労働組合

伊東競輪労働組合

 私たち伊東競輪労働組合が一斉積立増額に至ったきっかけは、運営委員会や代表者会議において、ろうきん職員から一斉積立の成り立ちや目的について説明があり一斉積立の意義を再認識したことでした。
 自然災害などの不測事態への備えとして、そして、働く仲間の夢の実現に向けた助け合い精神として積み立てる「一斉積立」の必要性を強く感じ、増額に向けた取組みを開始しました。
 当労組は組合員数約50名、年齢層は高めであり、「今更、積立?」との声もありましたが、執行部内で議論を重ね組合員には丁寧に説明を行いました。そして、定期大会にて月額500円増額を提案し、承認がされました。
 組合員の気持ちを一つにして一律増額を実現させることは決して簡単なことではありません。ろうきん職員と連携して自組織の状況を分析のうえ、組合員たちと議論していく必要があると考えます。組織ごとに、それぞれの課題や悩みは異なると思いますが、取り巻く環境変化への対応を考えていくことは日々必要であると認識しています。
 今回の取組みは、自組織において労働運動の原点とも言える一斉積立について改めて考える良い機会となりました。

伊東競輪労働組合